草切り唄(弥生町)
☆堅田行くならお亀にゃよろしゅ 行けば右脇高屋敷 トコススヤ
☆川に立つより立ち聞きしよと ごめんなされと寄るがよい
☆川に立たせて待たしておいて 内でダツ編みゃ手につかず

木挽き唄(蒲江町)
☆ヤーレ わしの挽く木に篭り節あるで 人の知らない苦労する
☆佐伯ゃナバ山 鶴崎ゃ木挽き 日田の下駄引き軒の下

木挽き唄(佐伯市)
☆ウンヤーレー 山に小が泣く山師の子じゃろ
 アラ育てにくかろ アラ山小屋は アーシャッコリン シャッコリン
☆木挽き女房にゃなるなよ妹 妹だまして姉がなる

木挽き唄(宇目町木浦)
☆ヤレ 木挽き女房にゃなるなよ娘 ホタがドンと来りゃ若後家じゃ
 アーゴッシンゴッシン
☆姉にゃ子守傘 妹にゃ手細 それじゃ妹が承知せぬ
 アー一厘とっても十日にゃトチリン
☆鋸も鑢も万丈のカネも 置いて行かんせ米の代
 アー一鋸三文一文五分づつ あの娘と分け取り
☆木挽さん達ゃ芸者の暮らし 挽いて唄うて金を取る
☆何ぼ挽かんでも二間どま挽かにゃ かかの湯巻は何で買う
☆やれやれやれやれやれやれ他家に うちのおたふく嫁にやれ

フイゴ唄(宇目町木浦鉱山)
☆祝いめでたの若松様よ 枝も栄えるヨーヤ 葉も茂る アー何でも千銀千銀
☆フイゴさすさす居眠りなさる カネの流れる夢を見た アー ドードー
☆トコヤ上には二股榎 榎の実ゃならいでカネがなる
☆トコヤ大工は鬼かな蛇かな 大の鉄の棒を振り回す
☆錫を見つけた井筒屋さんは 国を富ませる福の神
☆竹田中川侯は情ある殿よ 年に一度は駕籠で来る
☆錫は出る出る大平坑に 今日もカネ吹きフイゴ差し
☆錫で名所の木浦の山は 日向豊後の国境
☆岡のお城と櫓の壁は 錫と銅とでできている
☆行こか延岡 戻ろか岡へ ここが思案の田近山
☆豊後木浦はカネ吹き名所 竹田中川侯のお抱え鉱
☆鳥が舞う舞うトコヤの上を 鳥じゃないぞえカネの神
☆新造フイゴにあら皮巻いて さぞやきつかろ手子の衆は
☆木浦銀山カネ吹く庭に 夏の夜でさせ霜が降る
☆霜じゃござんせぬ十七八の 恋の涙を霜とみる

石刀唄(宇目町木浦鉱山)
☆ハーエ 発破かければエー ハコリャナー ドッコイナート
 キリハが進む 進むキリハでカネが出る ハコリャナー ドッコイナート
☆ハーエ 朝から晩までヨー ハチンカン チンカント
 叩かにゃならぬ 叩かにゃ食えぬとかかが言うた ハチンカン チンカント
 も一つ負けちょけ かかが言うた ハチンカン チンカント
☆ハーエ 坑夫々々とエー ハコリャナー ドッコイナート
 見下げてくれな 家に帰れば若旦那 ハコリャナー ドッコイナート
☆ハーエ 妹なるなよエー ハコリャナー ドッコイナート
 坑夫さんのかかにゃ 妹だまして姉がなる ハコリャナー ドッコイナート
 ま一つだまして 姉がなる ハコリャナー ドッコイナート
☆ハーエ かかの丸髷ヨ ハコリャナー ドッコイナート
 鼠がかじる 親父ゃ泣く泣く猫を呼ぶ ハ三毛来い タマ来い
☆ハーエ 好きと嫌いがエ ハコリャナー ドッコイナート
 一度に来れば 箒立てたり倒したり ハそうじゃよく言うた 倒したり
☆ハーエ 石刀はカネでもエ ハコーリャナー ドッコイナート
 棒は千草でも 叩かにゃ食われんとかかが言うた
 ハ叩かにゃ下がらん正直穴だよ チンカンチンカン チンカンチンカン
○ア坑夫さん お酒はいかがと両手をついて
 盃ゃ畳の模様じゃない そうじゃよく言うた模様じゃない
○ア寒紅梅 雪に閉ざされまだ芽も出らぬ
 さぞや鶯待つであろ アリャサ コリャサ ドッコイサ
○ア七転び 八起き世界に何くよくよと
 ぼたんこも着た冬ごもり ま一つ負けちょけ冬ごもり
△ハー 一つ出しましょ藪から笹を つけてくだんせ短冊を ハチンカンチンカン
△何と化けたよ三つのサイは かわい殿御を丸裸
△妹なるなよ木挽きさんのかかにゃ 仲のよい木を挽き分ける
△堅いようでも女はやわい やわいようでも石ゃ堅い
△山陽鉄道神戸がもとよ 九州鉄道門司がもと
△それじゃ主さん行こではないか ここで照る日はよそも照る
△ここも旅じゃがまた行く先も 旅の先ならここがよい
△かかの古べこ質屋へ入れて 親父ゃ酒屋で酒を飲む

鉱石揺り唄(宇目町木浦鉱山)
☆ここは豊国 木浦の山よ 嶺に花咲き谷に砂金
 ハー 掘りて尽きせぬ宝の山だよ 千斤 千斤
☆山も良かれやキリハも良かれ 頼む親方なおよかれ
 ハー 千斤かければお金は万両 千斤 千斤
☆呑めや大黒 唄えや恵比寿 間の酌婦は福の神

 

坑夫唄(米水津村)
☆ヤーレ 坑夫さんにはヨ どこ見て惚れた

 現場帰りの千鳥足 アドコイショ ドコイショ
☆妹なるなよ坑夫さんの嫁に 山がどんと来りゃ若後家じゃ 
☆十日叩いて一度にドンと あの娘にやる金 欲しゅはない

 

上荷唄(佐伯市)
☆ヤーレ 私ゃ佐伯の灘村生まれヨー(ハーヨイサノサッサイ)
 朝も疾うからノーヤレ 上荷取りヨー(ハー ゴトリンゴトリン)
☆沖の暗いのに白帆が見ゆる あれは佐伯の宝重丸
△ハーヨイサノサッサだ ヨイショの固まりゃ小判の端じゃい
☆押せよ押させよ船頭さんもかかも 押さにゃ上がらぬこの瀬戸は
☆船がいっぱい来りゃ蒸気船か思うて 三島お源さんが出て招く

櫓漕ぎ唄「ヨイヨイ節」(蒲江町)
☆ヤレー わしが思いはイサゴの浜のヨーイ 松の数よりノーヤレ まだ多いヨーイ
☆恋し恋しと待つ蝉よりも 泣かぬ蛍が身を焦がす
☆千秋万々歳で思うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松

 

シャコ曳き唄(蒲江町畑野浦)

☆ヤーレ 天が狭いのか三つ星ゃ並ぶヨ 海が狭いのか ノーヤレ エビゃかがむヨ

☆引けどしゃくれどシャコの子も乗らぬ お手を広げたタコばかり

籾すり唄(佐伯市)
☆唄え唄えとせき立てられてヨー ヨイトサッサ
 唄は出もせで汗が出た(ドッコイサノセー ヨイヤマカナー)
☆唄う心は湧かないけれど 胸の曇りを唄に出す
 (ハどしたらお前さんと 添わりょかね)
メモ:2節目は、唄囃子になっている。きっと、そのときどきで自由に囃したのだろうから、文句を受けて即興で唄囃子にしたりまたは「唄う心は…唄に出す」の文句を受けても、ドッコイサノセーと囃す場合もあったのだろう。

臼すり唄(佐伯市木立)
☆唄う心はわしゃないけれどヨー ヨイトサッサ
 胸の曇りを唄に出す(アラどうしたならお前さんと 添わりょかな)
☆承知ないのに盃さして そして私を困らかす
 (ヨンヤドッコイセノセー 承知かな)

臼すり唄(鶴見町羽出浦)
☆臼杵五万石大豆にゃ切れた ヨイヨイ
 狭い佐伯に豆詮議 ハーヨイショヨイショ
☆佐伯内町米屋のおよし 目許ばかりが天女かな
☆主は今来てもう帰るのか 浅黄染めより紺がよい
 ※「浅黄染めより紺がよい」は、来てすぐに帰るくらいならいっそ来ないほうがマシだ、の意味である。かけことば。

木綿引き唄(蒲江町)
☆エー わしが木綿引きゃヨー お馴染みさんがヨー ソレソレ
 寝ろや寝ろやと糸を切らすヨー トコハイ トノエイ ナニュエイ ソレソレ
☆木綿引く引く居眠りなさる 糸のでるのを夢に見た
メモ:岡山の「下津井節」と同種の唄である。

糸ひき唄(佐伯市木立)
☆木綿ひきひき眠りどまするなヨーイ 眠りゃ名が立つ宿の名が
 アドッコイショーノショー こりゃよかろ
☆木綿ひくひく眠りどまするな 眠りゃ伽衆がみな眠る
☆寝ても眠たい夏の夜に 木綿ひけとは親が無理

田植唄(佐伯市木立)
☆今年ゃ満作ヨー 穂にゃ ハーヨイヨイ 穂が立ちてノー ハエイトーエ
 ヤレ道の小草にゃサーナー ナーヤレヨー 米がなる
☆米のなる木がひともと欲しや 植えて育てて様にやる

田植唄(上浦町)
☆ここは田の畦 滑るなお為 転ばしゃんすな半蔵さん
☆雨は降ってくる洗濯物濡れる 子供は食いたがる気は急ぐ
☆これが今日のしまいの田植え 牛も暇やり自分も休む

田植唄(上浦町浅海井)
☆様の江戸行きの浴衣を縫えば(サマノーエー アーソコソコ)
 ヤレ 涙じゅめりで ヤレ糸がこぬ(浴衣を縫えば サマノーエー)
 ヤレ 涙じゅめりで ヤレ糸がこぬ

田植唄(上浦町津井)
☆植えて下んすな ひと(もと苗をサマノーエー) ソコジャ(エイソージャ)
 ヤレ いつか穂に(ホーイ出て ヤレ乱れあう)
 ひともと苗をサマノーエー(ソコジャ エイソージャ)
 ヤレ いつか穂に(ホーイ出て ヤレ乱れあう)

田植唄(宇目町)
☆植えてひどるな一本苗をヨー ソコ
 天の恐れで子が差しぬ チョイサセ チョイサセ
☆さんさ振れ振れ三尺袖を 袖が三尺 身が五尺
☆様の三度笠 引き上げてかぶれ 少しゃお顔も見とござる
☆ござれ来いよとは言葉の飾り 行けば納戸の戸を閉める
☆あんたどう言うても誠にならぬ 袂すがりの子がござる
☆伊豆の山には名所がござる 籠で水汲むこれ名所
☆昔ゃ松の葉に五人は寝たが 今は芭蕉葉にただ一人
☆さても見事な上方道は 松に柳を植え混ぜて
☆行ったな行ってみたな上方道を 松と柳が植えてある
☆松に柳は植えまいものを 柳枯れたら松ばかり

 

田植唄(宇目町重岡)

☆揃うた揃うたよ(ソコ) 田植衆が揃うたナ(秋の出穂よりなおそ 揃うた)

 出穂よりヨ(ソコ) 出穂より秋のナ(秋の出穂よりなおそ 揃うた)

☆五月ひと月ゃ 乳飲み子が欲しや(乳を飲ませて腰を を伸す)

 飲ませて 飲ませて乳を(乳を飲ませて腰を を伸す)


田植唄(直川村仁田原)
☆腰の痛さよこの田の長さ(コラノーエ)
 四月五月の日の長さ(エーイソーリャ チャボチャボ)

粘土唄(弥生町切畑)
☆サーオッコイナー オッコイナー 娘精出せ湖できりゃ
 粟のごはんが米となる コイサーヨイヨイ
☆唄でやらんせこの位の仕事 仕事苦にすりゃ日が長い
☆わしが湖する役人ならば 一度のたばこも二度させる
☆黒雲に ちらと見えますあの一つ干し 晴れて添い寝がしてみたい
☆深の夜にさえ迷わぬわしが 迷いましたぞ今ここに
☆あなた雛鳥わしゃ籠の鳥 お顔を見ながらままならず
☆表に来たのになぜ戸が開かぬ 憎やこの戸の掛け金が

 

地かち唄(佐伯市木立)
☆嬉しナ ハーエンエー ダシタコノ ダシタコノ
 めでたの若松様が ヨイヤサノサ 枝も チョイトナ
 栄えりゃ コイタ葉もしゅげる ヨイヤサー
 ヤットコセー アラサーコラサー ヤットセーセノナー
☆枝が栄えてお庭が暗い 枝を下ろそや宵の枝
☆工事竣工する土方さんは帰る 堤眺めて婦女が泣く
☆一夜々々に枕がかわる かわる枕を定めたい
☆かわいかわいと夜抱きしめて 昼は互いに知らぬ顔

 

地かち音頭(蒲江町蒲江浦)

☆めでためでたの(ヨイヨイ) 若松様よ(ヨーイセー ヨーイセー)

 枝も栄えりゃ チョイト 葉も茂る(ハレバノ ヤットコセーヨーイヤナ)

 (ハレバイサ コレバイサ ナンデモセー)

☆旦那大黒 奥さんえびす できたその子が福の神

☆ここのおかみさんは いつ来てみても 赤いたすきで金はかる

 (ハーこの家に宝を打ち込め打ち込め ドッコイドッコイ ドッコイショ)

 

女工唄(米水津村)
☆女工女工と偉そうに言うな 月に十円 二十円
 儲けたお金はみな貯金 お金の土用干ししてみしょか
○佐伯出帆してネ 臼杵ちょっと着いて佐賀関 大分 別府 日出 守江
 長浜 三ヶ浜 今治 多度津やネ 高松や神戸乗り出す

 まもなく大阪に着いた着いた
メモ:米水津村大阪方面に出稼ぎに行った女性が唄ったもの。仕事の合間に気晴らしに唄ったもののようだが、ここでは作業唄に分類した。