一口口説(地域性のあるもの)

(中津市)

秋の耶馬溪はお洒落な所 山は紅葉で化粧する

生まれ山国育ちは中津 命捨て場は博多町

後生願うなら宇佐よりゃ中津 中津寺町ゃ後生楽 

佐伯なば山鶴崎ゃ木挽き 日田の下駄ひき軒の下 

様よ忘れた豊前坊の原で 羅紗の羽織を茣蓙とした 

寺じゃ羅漢寺滝ゃ玉簾 景じゃ八景紅葉谷 

中津十万石おどいもんなないが おどや垂水のえびが淵 
中津中津とさしては行けど どこが中津の城じゃやら 

博多騒動米一丸は 剣詮議に身をはめた 
博多町をば広いとおっしゃる 帯の幅ほどない町を 

花は散るとも繋がにゃならぬ 中津お城の殿の駒 

囃せどんたく祇園の祭り 中津中津と呼びかける 

春の耶馬溪谷間の桜 三日見ぬ間に色がつく 
豊後湯の岳豊前じゃ屋山 御国境の英彦の山 

私ゃ心と闇無浜は 月は出ずとも闇はない

 

(宇佐市)

宇佐に参るよりゃお関に参れ お関ゃ作神作がよい
宇佐に参るよりゃ御許に参れ 御許元宮元社
宇佐にゃ参らず宇佐餅ゃ搗かず 何を力に髪梳こか
宇佐の三瀑西国一よ 古く賑わう滝参り
宇佐の百段百とは言えど 百はござらぬ九十九段

奇岩屹立麓は桜 床し宇佐耶馬仙ノ岩 

親が大工すりゃ子までも大工 宇佐の呉橋ゃ子が建てた 

安心院五千石底霧分けて 様の姿はもう見えぬ
安心院盆地に底霧こめて 上に浮かんだ豊後富士
安心院盆地の不思議な話 語り伝えて七不思議

裏に回って眺める滝は 日光裏見と竜泉寺   

桜名所は香下神社 山も社も花霞

さすが雄滝西椎屋凄や しぶき巻き上げ鳴りたぎる 
佐田の京石昔の名残 都忍んだ祭り跡

騒ぎ過ぎるとお叱り受けて 泣かぬ蛙の最明寺     

乳を貰いに五十里百里 岩に刻んだ生不動 

七つ星さま六つこそござる 一つ深見の剣星寺 

走る早瀬の三つ又川を 蹴りて行き交う鮎の群れ 
バスは二色湯の香を乗せて 安心院安心院と一筋に 

春は岳切布目の流れ 岸の石楠花しだれ咲き 
東椎屋は九州華厳 絵でも見るよな艶姿

見ても見事なお宇佐の榎木 榎の実並んで葉も繁る

昔栄えた仏法の形見 国の宝の竜岩寺

 

(豊後高田市)

うちのお殿さん長崎鼻で 波に揺られて鯛を釣る

香々地ゃよいとこ海山近い 娘器量良し仕事好き 

 

(杵築市)

色は竹田で情けは杵築 情けないのが日出・府内

錦江橋より東を見れば 杵築名所の杵築城 

守江灯台霞がかかる わたしゃあなたに気がかかる 

わしの思いは神場の浜じゃ 他に木はない松ばかり 

 

(別府市)

明日は行こうかよ妹の里へ 峠七坂湯の煙

わしが思いは由の岳山の 朝の霧よりゃなお深い 

わしが在所は猪の瀬戸越えて 米の花咲くお湯どころ

 

(大分市)

逢えば新川磯馴の松の 誘う風ありゃ片靡き

来ませ見せましょ鶴崎踊り いずれ劣らぬ花ばかり 

清き流れの大野の川の 月に浮かべた屋形船 

下る白滝情けの金谷 末は鶴崎抱き寝島

佐田と佐賀とは岬と関か 右と左に差し向かい 

潮干狩りなら青崎浜よ 路は並木の土手続き

忍び逢う夜は唐崎かけて 雨となる夜の首尾を待つ

月は九六位大野の川に 映えて鶴崎盆踊り 
夏は涼しく金谷の堤に 風もそよそよそよと吹く 
夏は遊船川風夜風 眺め見あかぬ大野川 

花が見たくば鶴崎踊り 肥後の殿さえ船で来る 

昔ゃ肥後領百千の船が 上り下りに寄る港

百合か牡丹か鶴崎小町 踊り千両の晴れ姿

私ゃ踊りの鶴崎育ち 科のよいのは親譲り

 

(臼杵市)

秋は桟橋石仏巡り 月は偲べと城址に

浮名流せど臼杵の川に 見やれ中須賀夫婦鳥

臼杵五万石大豆にゃ切れた 狭い佐伯に豆詮議
臼杵桜の花ならよかろ 色もよければ艶もよい

逢うて市浜寝て海添に 花の時雨はなぜ濡らす

下り松から船見送れば 泣かす白帆に津久見島 

月が出ました下ノ江沖に 波に揺られて濡れながら

ナカギ・セイダロ・コジロが浜で 泣いて別れた節もある 

春の臼杵は桜に明けて 化粧したよな薄霞

 

(津久見市)

津久見港は蜜柑の名どこ 岸に千艘の船が着く

 

(佐伯市)

色利ゃ日が照る宮野浦曇る 中の関網雨が降る

堅田行くならお亀にゃよろしゅ 行けば右脇高屋敷 

来いと言うたとて別れる道か 灘が四十九里波の上

佐伯内町米屋のおよし 目許ばかりが天女かな 

桜名所は佐伯港の番匠 川は濁らで海に入る

 

(由布市)

小田と山下二つの池の 水も末には逢うのやら 

嫁に行くなら湯平がよかろ 夏は涼しゅてお湯が湧く

 

(豊後大野市)

緒方名所は原尻巡り 滝のしぶきが客招く

豊後緒方は踊りの町よ 川の水さえ踊ります 

三重の内山紙漉き所 紙を漉く娘の器量よし 

 

(竹田市)

内と外との蛇生瀬の滝の 水は底なし淵となる

滝は魚住雄滝に雌滝 離れ離れて日を送る 
竹田生まれは姿で知れる 花に例えりゃ桜花 
竹田城址雀でさえも 竹に来て鳴く来てとまる 

月は竹田の城址照らし 阿蘇の山々夜が更ける

 

(玖珠郡) 
月は照る照る九重の峰に 河鹿鳴く鳴く夜は更ける

飯田高原広漠千里 山は紫水清し

 

(日田市)

鮎に鯉なら三隈の川よ 日田は情けの深いとこ

男度胸を試しにお出で 三隈荒川舟下り

さても見事な上野のつつじ 枝の豆田に葉は隈に 

七瀬八原は昔は天領 日田の三隈は月日星

日隈月隈星隈よりも 日田で名高い咸宜園 
日田の底霧古典の絵巻 鐘の響きも慈眼山 
日田は水郷懐かし所 水も枕の下を行く