出戻り口説

娘十七八ゃ嫁入り盛り 箪笥長持ちアノはさみ箱 「これほど持たせて遣りますからは
二度と再び戻るじゃない」と 言えば娘は物言いかける 「これさ旦那さん何言わしゃんす
物の喩えで申そうならば 東曇ればあの空とやら 西が曇ればあの風とやら
南曇ればあの雨とやら 北が曇ればあの雪とやら 千石船さえ出船のときは
まともなれども早や出て戻る まして私は花嫁じゃもの ご縁なければ戻るもします」