踊り始めの口上

秋の空澄み馬さえ肥えて 広い田の面にゃ秋風渡る 今年ゃ豊年穂に穂が咲いて
道の小草もお米が実る どこのどなたもお揃いなれば

手拍子そろえて踊ろじゃないか さあさ皆様踊りておくれ そこで説き出す口説の文句

何がよいかえ踊り子様よ あれよこれよと探しちゃみたが

慣れぬ私にゃ見つかりませぬ 早く出て来いよいよな文句
やっとでました文句の一つ しばし間は理と乗せましょな

 


誰もどなたもはよ出ちゃ来ぬか 足もだるかろ手もだるかろが

今宵や踊りはお供養の踊り お供養なりゃこそしっかりしゃんと踊れ

踊りゃ輪になれ片輪にゃなるな 一重二重と輪を立てなされ
誰もどなたもお揃いなれば じなしゅ数々述べましょよりも

何か一つはちょいと乗せましょか あれよこれよと探しちゃみたが

田舎育ちで見つかりませぬ 早く出て来いよいよな文句
やっと出ました文句の一つ 文句違いや仮名間違いは

平にその儀はお許しなされ 許しなされば文句にかかる


今宵や踊りは伊達ではないぞ 先祖・祖先のお供養の踊り

一つ手を振りゃ千部の供養 二つ手を振りゃ万部の供養

太鼓打て打て空まで響け 踊るお方はお囃子頼む
老いも若いもどなたも様も しばし間は踊りておくれ

やあれ嬉しや一輪が出来た 出来たところでこの次の声

しばししばらく文句にかかる 誰もどなたもよく聞きなされ


わしが出しますヤブから笹を つけておくれよ短冊を
唄の文句はゆんべこそ習うた 粋な文句は知らねども
忘れ残りの一節 二節 切れたそのときゃごめんなれ