田染音頭

春が来たかよ熊野が山に わらび採る子が霞に見ゆる 鬼の架け橋岩屋の仏
音に名高き権現参り 五つ岩から故郷見下ろせば 田染五千石さすがに広い
西にそびゆる西叡山が 村の文化の高さを誇りゃ 北に流るる桂の川が
村の歴史の深さを語る 見せてやりたや他国の人に わしが国さの田染の春を

 

夏が来たかよ鎧が淵に 藍を溶かした水澄み渡り いかに日照りの続いたとても
田染十ヶ村な大水小水 広い田圃に水ゆらゆらと 田染乙女が草採る小唄
いつか暮れ行く柏原山 月が笑えば蛍が眠り 夜は吹け行く太鼓は冴ゆる
踊りゃ輪に咲く蓮の花に 見せてやりたや他国の人に わしが国さの田染の夏を

 


秋がきたかよ元宮様に 祭り太鼓が朝から響く 間戸に鎮むる二宮様の
幡や幟が岩間に見えりゃ 三宮から繰り出す神輿 実る稲田を鈴の音渡る
三社八幡田染の守 年に一度の市場の御幸 参りましょうぞえ皆打ち揃うて
晩にゃ余興の芝居もござる 見せてやりたや他国の人に わしが国さの田染の秋を

 

冬が来たかよ蓮華の森に 雪に輝く富貴寺が見ゆる 阿弥陀如来の光は遠き
田染文化の昔を誇る 今は開けた山門越えて 寒さ忘れよか池辺の出湯
タオル片手に里見渡せば 谷間谷間に炭焼く煙 暮れを知らすか大堂の鐘が
護王菩薩と遥かに響く 見せてやりたや他国の人に わしが国さの田染の冬を