寝させ唄(大分市国分)

☆ねんねん子守はどこへ行った あの山越えて里へ行った

 里の土産は何々か 一に香箱 二に鏡 三に薩摩の更紗帯

 締めて廻せば四重廻る 四重の座敷に直らせて

 金襴緞子を縫わすれば 四苦八苦と泣きやんす

 何が不足で泣きやんす 何も不足はないけれど

 襟とおくみを付けきらぬ 上の叔母さんに持って行け

 上の叔母さんは針がない 針は針屋の腐れ針

 下の叔母さんに持って行け 下の叔母さんは糸がない

 糸は糸屋の腐れ糸 寺の姉さんに持って行け

 寺の姉さんは手が痛い 正月三日に持って来い

 正月三日に着る着物 ほら ねんねこねんねこよ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆あーちゃん おとったんどこ行ったな あの山越えて里に行た

 里の土産は何々な でんでん太鼓に笙の笛 起きたら敲かしょ笛吹かしょ

 ほうらねんねん ねんねんよ

 

寝させ唄(大分市国分)

☆ねんねが唱命じょうさんげ さんげが足らずに喜ばん

 喜ぶ心を当てにすな 当てになるのが御勅命

 聞いたら疑けな 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

 

寝させ唄(大分市国分)

☆ねんねんころりよ おころりよ 坊やは良い子だ

 ねんねしな 坊やが眠ったなかまには

 たいたい買うて飯炊いて 坊やが起きたら食べましょう

 

寝させ唄(大分市国分)

☆眠れ眠れ眠れよ 眠れ眠れ猫の子

 うっつけうっつけ兎の子 眠れ眠れ眠れよ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆ねんねんねんねん ねんねんよ うっつけうっつけ兎の子

 眠れ眠れ猫の子 ほうらねんねん ねんねんよ

 

守子唄(大分市国分)

☆こんこん寝た子に香箱七つ 起きて泣く子に石七つ

☆わしが小さいとき米屋の子守 今じゃ酒屋の嫁となる

☆心急くより川堰きなされ 川にゃ思いの鯉がおる

☆アーラ嬉しや橙熟れた わしの帰るのも近寄りた

☆明日は帰りますどなたもさらば ながのお世話になりました

☆親が貧すりゃ緞子の帯を 買うてやろやろ口ばかり

☆泣いてくりゃるな泣かんでさよも 尻をひねるよに思わるる

メモ:同種の唄は大分市以南の沿岸部で広く唄われた。有名な「宇目の子守唄」もこれと同系統のものである。

 

守子唄(大分市松岡)

☆正月きたきた橙熟れた 俺の帰るのも近寄りた

☆子守ゃ子が泣く姉さんな眠る 起こしゃまた泣くまた眠る

☆旦那おっかさん どなたもさらば ながのお世話になりました

 

寝させ唄(大分市国分)

☆ねんねん子守の来る年は 世の中良うで世が良うで

 五升と八升は作り取り 五升は坊やが餅の代

 八升はお父さんが酒の代 ねんねんこんこん こんこんや

 ※「ねんねんこんこん」は、子供をあやす言葉。ほかに「ねんねこっこヨー」など。

 

寝させ唄(大分市国分)

☆ねんねんねんねんよ ねんねの守はどこへ行った 酒屋が嫌なら嫁入らしょ

 嫁入り道具は何々ぞ 箪笥 長持 夜着 布団 ほどよく仕立ててやるからに

 必ず戻ると思やるな 赤い紐つきゃヤヤさんに 夜着と布団は婆さんに

 机文庫は兄さんに さらばさらばと先見れば 先は蓮華の花が咲き

 さらばさらばと後見れば 後は時雨の雨が降る

 

守子唄(大分市松岡)

☆眠れ眠れ眠れよ 親から叱られ子は泣いて なんのこの子がかわいかろ

 お飯の種じゃと思やこそ ちったあ可愛い可愛いよ お前が眠ったるすには

 あっぱいまんまを炊いてから なんなさんにあげた残りを

 お前に残らずみなあげる ほら ねんねん ねんねんよ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆正ちゃんが十九になったとき ぼんぼろ屋敷に蔵をたて 蔵のめぐりに杉植えて

 杉の小枝で鳥が鳴く うの鳥うの鳥なぜ鳴くの 親がないのな子がないな

 親もござれば子もござる たった一人の姉さんが よんべコロリと死にました

 それが可愛ゆて泣きやんす ほうら泣くな泣くなよ

 

寝させ唄(大分市上戸次利光)

☆ふーらにいれにいれよ つたんがふねえのじょうき出ち せんびとふうずきゃ買うてやる

 ふーらにいれにいれよ 泣くとわんわんがついちくるど ふーらにいれにいれよ

 ※にいれ=寝入れ、つたんが=父さんが、ふねえの=府内の、じょうき=城下に

  せんび=煎餅、ふうずき=ほおずき、わんわん=おばけ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆眠れ眠れ孝ちゃんは 私の好きな孝ちゃんは お眠りしたそのときは

 おっかちゃんのお膝で お乳をたんとあげましょう 眠れ眠れ孝ちゃんよ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆ねんねんよう ねんねんよう 赤ちゃんなよい子じゃ怜悧もんじゃ

 ほーら眠れ眠れよ 起きたらお乳をあげますよ ほーら眠れ眠れよ

 

寝させ唄(大分市松岡)

☆坊やも負けずに早う眠れ あれ見よ叔父さんももう眠った

 そこにはきれいな鳥がいて 明日の朝まで鳴いている

 坊やも負けずに早う眠れ 叔父さんの眼覚むな明日まで

 

寝させ唄(大分市国分)

☆向いのお屋根はきらきら光る 光るこそ道理じゃ 様の嫁入りなさる

 いくつでなさる 七つでなさる 七色飯に おしゅんとこしゅんと

 腰元連れて 伊勢にゃ七度 熊野にゃ三度 愛宕様には月参り

 

手まり唄(大分市国分)

☆わしとお母さんとお寺に参りかけ お寺の窓から酒カス投げて

 私にゃ当たらんでお母さん当たって かかすかぶろと申します

 セーニ トート イッキトセ

 

手まり唄(大分市国分)

☆牛方 馬方 跳ね馬 どうどうひんひん 五百めりまで お皿突き上げて

 一より 二より 三より 四より 五より 六より 七より 八より 九より 十より

 十から十まで後に返して 返さんさん 戻さん

 一ちょ 二ちょ 三ちょ 四ちょ 五ちょ 六ちょ 七ちょ 八ちょ 九ちょ 十ちょ

 お重に重ねて 雄鶏 雌鶏 雄鶏一羽が一匁 雄鶏二羽が二匁

 雄鶏三羽が三匁 雄鶏四羽が四匁 雄鶏五羽が五匁 雄鶏六羽が六匁

 雄鶏七羽が七匁 雄鶏八羽が八匁 雄鶏九羽が九匁 雄鶏十羽が十匁

 お重に重ねて 雄鶏 雌鶏 雌鶏 一めんど 二めんど 三めんど

 四めんど 五めんど 六めんど 七めんど 八めんど 九めんど 十めんど

 お重に重ねて そそり そそりは 一めんど 二めんど 三めんど

 四めんど 五めんど 六めんど 七めんど 八めんど 九めんど 十めんど

 お重に重ねてそそり そそりは一めんど そそり 一のめん 二のめん

 三のめん 四のめん 五のめん 六のめん 七のめん 八のめん 九のめん

 十のめん お重に重ねん おっちんちん 一 二 三 四 五

 六 七 八 九つ 十 江戸の川瀬は内緒で上がる 水は幾尺

 積もれば千尺 水は水晶のおのせで上がる 一としや 二としや 三としや

 四としや 五としや 六としや 七としや 八としや 九としや 十としや

 十で下ろして 一十や 二十や 三十や 四十や 五十や 六十や 七十や

 八十や 九十や 九かんの親の眼の前で 百ついた 二百ついた 三百ついた

 四百ついた 五百ついた 六百ついた 七百ついた 八百ついた 九百ついた

 九百ついた 千ついた 千のお城の川の瀬は おんさいじょうして

 お式だいから 棚だいろくだい おんてん八町十町

メモ:唄に合わせて技を展開していく遊び方で唄われたもの。

 

手まり唄(大分市松岡)

☆きんかん みかん どこで食うた 川向うで四つ食うた

 それの残りは誰にやる 八幡長者の弟娘 あの子よい子じゃ器量な子じゃ

 胸には法華経を読み立てて 足には黄金の靴はいて 人の通らぬ山道を

 通れ通れと責められて 通ったら並んで通ったれば 元の殿御に行き逢うて

 殿さん殿さん暇おくれ 暇はやるこたやるけれど 俺の女房になってくれ

 赤足袋 白足袋 木綿足袋 それが嫌なら大阪足袋 イヤいっきとせ

 

手まり唄(大分市松岡)

☆一段お上がり 二段お上がり 三段上がって東を見れば

 よい子よい子が三人ござる 一でよいのが糸屋の娘

 二でよいのが二の屋の娘 三でよいのが酒屋の娘

 酒屋お近さんは伊達者でござる 日にち毎日 白粉びんつけタラタラつけて

 帯を一筋 青茶に染めて 結ぶところが五葉松 五葉松

 

手まり唄(野津原町野津原)

☆いちばんはじめは一宮 二また日光しゅうぜん寺 三また佐倉の宗吾郎

 四はまたヨネンのハイカラさん 五つは出雲の大社 六つ村々天神さま

 七つ何事ないように 八つ八幡の八幡宮 九つ子供の高野山

 十でとうとう心願しょ あれほど心願かけたのに 浪子の病はよくならず

 

手まり唄(大分市松岡)

☆とんとん敲くは誰じゃいな 新町米屋のお繁さん

 あなたは何しに来たのかえ 私ゃ雪駄がかわって替えに来た

 わしとおっかさんお寺に参りかけ 酒屋の窓から酒の粕投げた

 わしにゃ当たらでおっかさんに当たった

 

手まり唄(大分市松岡)

☆うちの裏のジャボンの木 朝はつぼんで昼ひらく 晩にはしぼんで門に立つ

 門に立つのは千松で まだ七つにならぬのに お馬の上から飛び降りて

 継母さんから叱られた これほどお腹が立つなれば 地獄の袂に蛇を受けて

 猫が嫁入りゃいたちが仲立ち 二十日鼠が五升樽提げて 裏の小道をちょこちょこ走り

 なんぼ走ってもあの山越えてこの山越えて ふすぼり煙草をようのんだ いっきとせ

 

手まり唄(大分市東稙田)

☆向かいジャボンの梅の花 朝つぼんで昼ひらく 晩はしぼりて門に立つ

 門に立つのは千松か まだ七つにならんとき お馬の上から飛び降りて

 それほどお腹が立つなれば 五尺の袂に状受けて 猫が嫁入り いたちの仲立ち

 二十日鼠が五升樽提げて 裏の小道をちょこちょこ走り なんぼ走っても

 一丁まにコイコイ 二丁まにコイコイ 三丁まにコイコイ 出口にお月さんがござる

 今日は今日々々 明日は大々 大事々々のお手まり様よ お紙に包んで紙縒りでしめて

 しめた上からイロハと書いて 誰に読ましょか吉郎に読ましょ 吉郎親方 馬追なされ

 馬をピンコシャンコ ビドロの脚絆 あてて踏ませて後から見れば

 牡丹 芍薬 百合の花 さあさ一貫 かしました

 

手まり唄(大分市松岡)

☆うちの裏の庄太郎さんが 馬に乗りかけ馬から落ちて 医者にかかろか目医者にかかろか

 医者も目医者もご苦労ご苦労 舟の船頭さんに白粉貰うて つけてみたれば蕎麦の粉じゃ

 蕎麦の粉じゃ そうそう船がかやった 頭のこぶしが汚れた 油火であぶった

 油臭いとおっしゃった 松葉火であぶった 松葉臭いとおっしゃった

 よんべ貰うた花嫁御 お飯は何膳いけますか お飯は三膳よういける

 大根畑に飛び込んで 大根何本 八十本 それでもお腹が足らんとせ

 池の中に飛び込んで 池の水を皆飲んで それでもお腹が足らんとせ

 川の中に飛び込んで 川の水を皆飲んで それでもお腹が足らんとせ

 海の中に飛び込んで 海の水を皆飲んで それでもお腹が足らんとせ

 高崎山に腰かけて あっち向けドンドン こっち向けドンドン ソーラいっきとせ

 

手まり唄(大分市松岡)

☆うちの裏の竹伐りゃ誰な 誰じゃござらぬ手柄でござる

 手柄 生竹十本ばかり 伐りて小切りてお駕籠に差して お駕籠めぐりに石菖植えて

 石菖実がなりゃおヨシが孕む 今度出た子が女ん子なれば つまみ殺して南無阿弥陀仏

 今度出た子が男ん子なれば 京にのぼせて裃着せて 金の硯箱 蒔絵の筆で

 書いて書かせて読ませてみれば 牡丹 芍薬 百合の花 トコいっきとせ

 

手まり唄(大分市松岡)

☆ひい ふう みい よう いつ むう なな や

 七つ大事は人の道 これを学ぶは学校行き 学校の先生訓えには

 親には孝行 君に忠 兄弟仲良く暮らすのは 日清戦争のもととなる

 蕾のお花が開かずば めでたくお春となりました イヤいっきとせ

 

手まり唄(大分市松岡)

☆向こうの山から鐘が鳴る さぞ行きたい参りたい

 姉さん帷子貸さんかえ 姉さん帷子血がついた 何の血じゃろか紅じゃろか

 紅屋の染物よう染まる 立っても座ってもよう染まる 藍に絞りて藍絞り

 とんとん車に水車 水がないとてお江戸行って お江戸長崎 腰かけて

 あれ坊さん これ坊さん ここは何というところ ここは信濃の善光寺

 善光寺さんに願かけて 梅と桜をあげたれば 梅は酸い酸い戻される

 桜はよいよい褒められる

 

手まり唄(大分市松岡)

☆ひいとチンゴチンゴチンゴ ふうチンゴチンゴチンゴ みいチンゴチンゴチンゴ

 ようチンゴチンゴチンゴ いつチンゴチンゴチンゴ むうチンゴチンゴチンゴ

 ななチンゴチンゴチンゴ やあチンゴチンゴチンゴ 九つおこのにせめ上げて

 十と万とといっきとせ

 

手まり唄(野津原町本町)

☆あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場さ

 船場山にはたぬきがおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ

 煮てさ 食ってさ うまさのさっさ

 

手まり唄(野津原町野津原)

☆お城のさん おんさま大将が いっちょごでお駕籠で いっちょさまどん

 差したかどん 忍ぶかどん どんと流行るがどろ神様か

 ここは篠原 堺のどん おん吉原の吉郎さん 駒三さん

 とぼけて流行るが音八さん 白木屋のお駒さん 才三さん たばこの煙で十八歳

 酒持って来い 吸い物なんぞは早や持って来い ひに ふに み トコトン

 

羽根つき唄(大分市国分)

☆梅王 松王 桜丸 桜が枯れたらいっきとせ

 

羽根つき唄(大分市松岡)

☆梅王 松王 桜丸 桜に別れていっきとせ

 

羽根つき唄(大分市国分)

☆一や 二や 三とこせ シャラシャの アイキリショ

 ヨイトマカセの 一つきとせ

 

羽根つき唄(大分市松岡)

☆一目や二目 三い目や四う目 五つ目や六う目 七目や八目 九目や十目

 

羽根つき唄(大分市松岡)

☆ぶぶ風吹くな 銭箱やるぞ

 

お手玉唄(大分市牧)

☆今度柞原から嫁貰うて 八幡御幸町通り越し 火王さんが仲立ちで

 浜の市でたんす買い 生石で長持買ってきて かんたん夢の枕も買ってきて

 春日駄ノ原通るとき 勢家の若い衆に よい嫁貰うたと褒められて

 着いたところが沖の浜 沖の浜

メモ:盆踊り唄のイレコか何かの転用と思われる。

 

数え唄(大分市東稙田)

☆いちくり にんじん 山椒に椎茸 ごぼう ろうそく

 七くり 初茸 くねんぼ とんがらし

 

目くらべの唄(大分市東鶴崎)

☆だるまさん だるまさん 睨みっこしましょ 笑ったら負けよ うんとこどっこいしょ

 

鬼決めの唄(大分市東稙田)

☆いっちくたっちく たいよむさんが 法事に呼ばれて蜂から刺されて

 いてえとも かいいとも言わずに ただしくしく泣くばかりじゃった

 

鬼決めの唄(大分市東鶴崎)

☆一のけんじょ 二けんじょ 三のけんじょ 四けんじょ しけのばちのうちにゃ

 おもはもはっぽう お茶々の花が 咲いたか咲かんか まだ咲き揃わん

 青おんの盲が その先ゃつんのけ

 

囃し唄(大分市東稙田)

☆坊主ぼっくり山芋 似ても焼いても食べられん

 

人当て鬼の唄(大分市東稙田)

☆ぼんさんぼんさんどこ行くの どこ行くの 私ゃ田んぼの稲刈りに 稲刈りに

 私も一緒に連れて行て 連れて行て お前が来ると邪魔になる 邪魔になる

 後ろにいるのはだーれだれ

 

月の唄(大分市東稙田)

☆お月さんいくつ 十三七つ まだ年は若いな 若い子をもって誰に抱かしょ

 おまんに抱かしょ おまん茶ん袋 茶船に載せて いくいく見れば

 えべすか大黒か あけて見たれば 福の神じゃった

 

亥の子唄(佐賀関町西脇)

☆一つ祝いましょう お大黒の能には 銭も何もがらがら 金の恵比寿の福の神

 ハヤッサイノーヤッサイノー 一振り二振り金剛界 ヤレやったかぶんまくろう

 鍛冶屋の金クソ天竺までも祝いて それが足らんちゅて角のえのみの木

 ちんぐりむいてひり割った ヒェーンエーイ ここの家は繁盛々々