唱歌「三重町駅開通祝賀の歌」その1(三重町)

☆汽笛一声犬飼を 早や我が汽車は離れたり

 細長鉄橋うち過ぎて 眼下に見ゆるは大野川

☆ここより僅かに隔たれる 宇対瀬岩屋の石仏は

 日羅の作と伝えられ その他旧蹟なお多し

 

唱歌「三重町駅開通祝賀の歌」その2(三重町)

☆時は大正十年の 三月二十七日は

 我が三重駅の開通日 祝え諸人諸共に

☆川と橋との名所なる 犬飼町を後にして

 釜形関は鉄橋の 下に望みて水深し

☆田原渡無瀬や柳平と 音に聞こゆる宇対瀬の

 見送る遠き眼下には 鮎の名所の大野川

 

唱歌「緒方駅開通祝賀の歌」その1(緒方町)

☆傾山下風さえて 紅葉色づく秋の暮れ

 鉄道通ぜり緒方駅 汽笛の声も勇ましく

☆千古に茂る大森林 万頃続く一沃野

 無尽の富を蔵したる 希望に満てる緒方郷

☆天与の宝庫開くべき 時は来たれり励め人

 御代の恵を身に受けて 祝え幸ある今日の日を

 

唱歌「緒方駅開通祝賀の歌」その2(緒方)

☆三重の町より八マイル 牧口を経て緒方まで

 岩切り通し山を貫き 真一文字の鉄の路

☆汽笛を長くこだまして 眠れる朝霧揺り起こし

 昇る朝日の影浴びつ 汽車は着きたり勇ましく

☆東京 京都 伊勢御陵 千里も隣る世ぞ嬉し

 人も文化も産業も 開けゆく世ぞめでたけれ

 

唱歌「朝地駅開通祝賀の歌」(朝地町)

☆時大正の十二年 師走の空に勇ましく

 汽笛の声を響かせて 汽車は通ぜり朝地駅

☆天恵多き大野郷 無尽の富を蔵したる

 宝庫の鍵を開くべき 時は来たれりいざ祝え

☆智を採り徳を培いて 清き自然の我が郷に

 文化の花を咲かすべき 時は来たれりいざ祝え

☆長き期待は満たされぬ 尽きぬ希望は輝きぬ

 覚めよ人々起てよ友 楽しき今日を歌いつつ

メモ:以上、豊肥本線の延伸に伴い各駅が新設された際の祝賀唄。中判田駅の唄は、大分市のページ参照。

 

唱歌「朝地駅開通祝賀行進曲」(朝地町)

☆ああ嬉しいな汽車が来る 今日から朝地に汽車が来る

 花火が揚がる人が行く ああ嬉しいな嬉しいな

☆あれあれ汽車がやって来る トンネル抜けて田を越えて

 煙りを吐いて笛吹いて ああ嬉しいな嬉しいな

☆あれあれ汽車はもう着いた あんなにたくさん人乗せて

 あんなにきれいな旗立てて ああ嬉しいな嬉しいな

☆ああ嬉しいな今からは 遠足するのもあの汽車よ

 日本国中ひと走り ああ嬉しいな嬉しいな

メモ:子供用のものであり、おそらく開通祝賀パレードか何かで小学生が唄ったものではないかと思う。

 

新民謡「尾平鉱山音頭」(緒方町尾平鉱山)

☆ハー 尾平よいとこ錫どころ 祖母の御山が霞に浮いてヨ

 赤いつつじの チョイト 裾模様 さあさ踊ろよ ハー鉱山音頭をヨ

 ドントコラサノ ドントヨイヨイ ドントコラサノ きれいな鉱山よ

☆奥嶽しぶきにしっぽり濡れて 通う銀バス夕日に映える

☆鉱車の音さえリズムに乗って 山は紅葉の唐錦

☆日がな一日 吹雪で暮れりゃ 暖炉囲んで笑い声

メモ:尾平鉱山はとうに廃止されており、今では集落も廃村になっているが、往時は隆盛を極め映画館ありダンスホールありの不夜城であったとのこと。いろいろな土地から人が集まっているので、盆踊りの際はお夏や三勝などではなく、炭坑節や東京音頭、別府音頭を踊っていた。ぜひ地元固有の唄を、ということで作られたのが、この「尾平鉱山音頭」である。大分市よりも先に新作映画のフィルムが届くと言われたほど栄えていただけあって、こういった新小唄を作るような余裕もあったのだろう。