茶揉み唄(津江地方一円)
☆ハヤーレ 縁がないなら茶山においで アリャサイサイ 
 茶山 茶処 縁処 ハー押さされ引かされ
☆お茶を揉むときゃ腰ょ折りかけて 腕に力を入れて揉め
 揉まされ揉まされその気で揉むなら  石でも粉になるしっかり揉まされ
☆茶山だんなさんながらがら柿よ 見かけ良けれど渋うござる
 押さされ引かされ
☆茶山だんなさんと懇ろすれば 決めた給金よりゃ袖の下
 揉まされ揉まされ 常にゃ来んけん 来たときゃ寄らさい
 道端じゃあけん 団子して待っちょる
メモ:「八女の茶山唄」とほぼ同じ曲。出稼ぎの仕事唄。茶山だんなさんと…の文句は、茶山の持ち主と親密な関係になることで、余分に給金を貰っているのではないか?という噂話とか悪口の類のもの。袖の下=賄賂、不正なお金

茶揉み唄(日田市)
☆ヤーレ 縁がないなら茶山においで 茶山 茶処 縁処

 

茶揉み唄(前津江村柚木)

☆ハーヤーレ 縁がないなら茶山にござれ(トコサイサイ)

 茶山茶どころ縁どころ(ハー揉ましゃれ揉ましゃれ トコサイサイ)

☆今年初めて茶山に来たら お茶の摘む道ゃまだ知らぬ

☆今年ゃこれきりまた来年の 八十八夜のお茶で会お

 

茶揉み唄(前津江村大野)

☆ハヤーレ 茶山旦那さんなガラガラ柿よ 見かきゃよけれど渋うござる

☆お茶は揉め揉め 揉みさよすれば どんな柴茶も濃茶となる

☆矢部がよいかな星野がよいか 矢部で妻持ちゃ矢部がよい

 

茶揉み唄(中津江村合瀬)

☆ヤーレ 一つだしましょかはばかりながら 声の悪いのはみなごめん

☆茶山戻りはみな菅の笠 どれが姉やら妹やら

 

茶揉み唄(中津江村栃野)

☆ハヤーレ 茶山茶山と楽しうで来たが(やれ揉めやれ揉め)

 なんのよかろか坂ばかり(やれ揉めやれ揉め)

☆茶山旦那さんなガラガラ柿よ 見かきゃよけれど渋うござる

☆姉がさすなら妹もささりゃ 同じ蛇の目のからかさを

 

茶揉み唄(上津江村川原)

☆インヤーレ 茶山戻りのあの菅の笠 どれが姉やら妹やら(やれ揉めやれ揉め)

☆茶摘みゃしまゆるじょうもんさんな帰る 私一人が残される

☆あんた帰るかと袂にゃすがる 離せまた来る来春は

☆どうせ帰るなら日田まで送ろ 日田から互いに泣き別れ

 

茶揉み唄(上津江村上野田)

☆ヤーレ声のよさよさ細谷川の(コラサイサイ)

 すすき小藪の蝉の声(やれ揉めやれ揉め)

☆こんなやわい茶は五貫どま摘まにゃ 様のかんざしゃ何で買う

 

茶揉み唄(天瀬町五馬市)

☆ヤーレ 茶山茶山とみな言うて登る 津江は茶どころ縁どころ(アーやれ揉めやれ揉め)

☆揉めた揉めたはシバ茶が揉めた 揉めたシバ茶の味のよさ

 

茶揉み唄(大山町西大山)

☆茶摘み茶摘みとみな言うて来たが お茶の摘み道ゃまだ知らぬ

☆お茶の摘み道ゃ知らんならおしゆ 古葉残して新芽摘む

 

茶揉み唄(上津江村)
☆ヤーレ 今年初めて茶山に来たら(トコショイショイ)
 お茶の摘みようがまだ知れぬ
☆お茶の摘みようを知らぬなら教うよ(トコサイサイ)
 わずか残してしんに摘も(アーヤレ揉めヤレ揉め)
☆お茶は揉め揉め揉まねばよう出ぬ(トコショイショイ)
 揉めばシバ茶も濃茶となる

田植唄(上津江村上野田)
☆田植田植と楽しゅで来たら 様は(ハイハイ) 代掻きわしゃ田植
 (サンヤレわしゃ田植 様は) ハイハイ(代掻きわしゃ田植)
☆腰の痛さよこの田の長さ 四月五月の日の長さ
 (日の長さ 四月)(五月の日の長さ)

 

田植唄(上津江村川原)

☆様に会おうとて田植に出たが 様は ハイハイ 代掻き わしゃ田植

 サンヤレ わしゃ田植 様は ハイハイ 代掻き わしゃ田植

☆様は来て待つ出るこたならぬ 繋ぎ 舟とはわしがこと

 わしがこと 繋ぎ 舟とはわしがこと

 

田植唄(前津江村大野)

☆田植小噺ゃ田主が アラドッコイ嫌う ノンホーヨイサー

 唄うて コラ植えましょしなやかに 植えましょ唄うて ノンホーヨイサー

 唄うて コラ植えましょしなやかに

 

田植唄(天瀬町本城)

☆五月男のどこ見て惚れた 代田(ハイハイ) 上がりの濡れ姿

 (サンヤレ濡れ姿 代田) ハイハイ(上がりの濡れ姿)


地形唄(日田市)
☆エーエーエー これがこの家の大黒柱(ハヨイヨイ) 大黒柱

 これがなからにゃこの家は建たぬ この家は建たぬ
 ハヨンヤサー サッコラサン ヤートセー
☆桜花にも迷わぬ私 迷わぬ私
 なぜにあなたに ヤレ迷うたやら ヤレ迷うたやら
メモ:家普請の、基礎工事の作業唄。

 

地形唄(日田市上城内町)

☆エーイヤーヤー 日柄見立てて地搗きをなさる(ハーヨイヨイ)

 今日のめでたい この家の土搗き

 (ハーヨイヤサー ヨイサ アラサ コラサ エンヤートセー)

☆今日のめでたいこの家の土搗き なんぞ一つは祝いのものを

☆こんな賑わう土搗きの場所にゃ 場所におそれて音頭もできず

☆わしがようなる田舎の者の 音戸などとが合うこた知らぬ

☆なれど一つはやりかけてみましょ 合えば義経千本桜

 

地搗き唄(中津江村合瀬)

☆ハーこちの座敷は祝いの座敷 鶴と亀とが アノ舞い遊ぶ

 (アーヨーイコラサ ヨイコラサ アラサ コラサ アラヤートセー)

☆東に召しますあの神様は 青の装束でお下がりなさる

☆ここがこの家の大黒柱 皆様よろしく頼みます

 

地搗き唄(上津江村川原)

☆今日は日も良し石搗きなさる(ハヨーイヨイ) 明日は天社でノヤ 万よし

 (ハナナトコセーノ ヨーイトナ アリャセ コリャセ ササナンデモセー

 ハ天よりゃ高く はじき上ぎい ハサンヨー ハサンヨー ハサンヨー)

☆鐘と撞木が流れて通る 確か川上ゃ寺屋敷

☆鐘が鳴るかや撞木が鳴るか 鐘と撞木の間が鳴る

 

地搗き唄(上津江村上野田)

☆今日は日も良し石搗きなさる(アヨーイヨイ) 明日は天社でノヤ 万よし

 (ヤートコセーノヨーイトナ アリャセ コリャセ アリャナンデモセー)

 

地搗き唄(大山町東大山)

☆ハーこれがこの家の大黒柱(ヨーイヨイ) この柱なからにゃ ヤンサ家ゃ建たぬ

 (ヨーイヨーイヨーイトナ アリャサ コリャサ エンヤートセー)

☆姉も妹も縁づきゃしたが 私ゃ中子で縁がない

☆わしがこれから道楽やめて 親に孝行はせにゃならぬ

 

地搗き唄(天瀬町五馬市)

☆祝いめでたやこの家の地搗き(ヨーイヨイ) 鶴と亀とが ヤンサ舞い遊ぶ

 (ヨーイヨーイヨーイトナ アラサ コラサ エンヤートセー)

☆これがこの家の大黒柱 手綱引く人みな恵比須顔

☆鶴のとまり木 撞木に立てて 亀の姿でもと取りなさる

 

そえつき唄(日田市)
☆ハー 祝いヨ めでたの ハーコイコイ
 若松様よ ハードントコイコイ
 ハヤレー 枝もヨ 栄ゆりゃ ハーコイコイ
 蔵繁盛 ハードントコイコイ
☆鶴が舞いますお蔵の上で 鶴は御繁盛と言うて遊ぶ
メモ:酒造の作業唄。

 

長持唄(中津江村合瀬)
☆アー 祝いナーヨー めでたや若松様よ 枝もナーヨー
 栄える エー 葉も繁るナーヨー
☆たんす長持受け取りまする 道中無事にと届けます
☆蝶よ花よと育てた娘 今日は他人の人となる
☆生みの父上母上様よ 長のお世話になりました
☆たんす長持白木じゃあれど 中のお衣裳は綾錦
☆所望だ所望だと道ゃはかどらぬ 家じゃ婿さんが待ちかねる
☆たんす長持ち受け取りました 奥の座敷におさめます
メモ:各節で、親の気持ち、娘の気持ちなどが唄われている。めいめいが自分の思いを唄にたくしたもの。

長持唄(中津江村栃野)
☆ハー たんすナーヨー 長持ゃ ハー お渡しまする
 末々ナー よろしく ハー 頼みますナーヨー
☆たんす長持ゃ受け取りまする 二度とこの敷居ゃ越しゃせぬ
☆蝶よ花よと育てた娘 今日は晴れてのお嫁入り
☆船は入船 帆を巻き上げて 恵比須 大黒 舞い込んだ

駄賃取り唄(天瀬町五馬)
☆馬よ勇めよ ホイホイホイ この坂一つ ホイホイ
 「アト馬どうしたこつかい はみゃ三升打ち喰ろうち 下つばけー垂れち」
 登りつむれば 上は三里の真ん平
☆一代後家とて駄賃取りゃ行くな いつも夜で来て夜で帰る
メモ:駄賃取りとは、農家の副業で、馬で荷物を運んだもの。

朝草切り唄(上津江村川原)
☆なんぼ通うても青山もみじ 色の
 色のつかぬが是非もない ホイホイ
☆あんたよう来たよう来てくれた わしの わしの思いの届いたか
☆様は来る来る栗毛の馬で 私ゃ 私ゃ逢お逢お あおの駒
☆私ゃあなたに惚れてはいるが 二階 二階 雨戸で縁がない
☆七里墓わら栗山道を 様は 様はよで来てよで帰る
 ※墓わら=農村部の集落墓地や、または一族のめいめい墓が寄り集まってあるところ。よで来てよで帰る=「夜で来て」と「寄で来て(寄らずに来て)」のかけことば。「よで帰る」も同じ。

 

木挽唄(日田市山田)

☆インヤーレ 山で子が泣く木挽きの子じゃろ ハあれは子じゃない鋸の音

 ハードウカナ ドウカナ

☆七つ下がれば蜩でさえ 鳴いて心を勇ませる

☆木挽きさんにはどこ見て惚れた 帳場戻りの足袋はだし

☆破れ障子と書いたる文は 梅に鶯 春を待つ

 

木挽唄(前津江村大野)

☆ハヤーレ 蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨 蝶々とんぼも鳥のうち シャリッコン シャリッコン

 

木挽唄(大山町東大山)

☆ヤーレ 木挽ゃ山中の山には住めど 小判並べて女郎を買う

 ヤーゼイッチョン ゼイッチョン

☆木挽きさんたちゃ山から山へ 花の都にゃ縁がない