新民謡「亀川ばやし」

☆恋の由布岳ヨー 鶴見岳 燃ゆる想いを胸の中

 ナントナントナント 亀川街にゃ チョイト 情けのネー 煙が立つ

☆唄の文句じゃないけれど 染めてみせましょ血の池で 温泉絞り かぶって恋心

☆夏の明け暮れ砂の湯に 沖を眺めて寝て暮らしゃ 上人ヶ浜 千鳥が鳴いていく

☆お湯の柴石ゃ滝しぶき 落つる湯壺に身をまかせ 楽しい仲を 二人は夢心地

 

新民謡「亀川温泉の歌」

☆亀川温泉 春が来りゃ サノ春が来りゃ

 浜田の砂湯や潮干狩り トサイサイ 潮干狩り

☆亀川温泉 夏が来りゃ サノ夏が来りゃ

 ボートレースや釣り遊び トサイサイ 釣り遊び

☆亀川温泉 秋が来りゃ サノ秋が来りゃ

 滝湯の柴石 亀陽泉 トサイサイ 亀陽泉

☆亀川温泉 冬が来りゃ サノ冬が来りゃ

 血の池地獄や湯の煙 トサイサイ 湯の煙

メモ:紅屋の娘の替唄だが、節回しがやや変化している。この唄は長らく忘れ去られていたが、平成24年に歌詞を一部改めて復元され、今後の普及が期待されている。

 

新民謡「亀川情緒」

☆お湯の窓から鹿鳴越観れば ちらり三夜のお月様 おいで温泉亀川へ

☆恋の亀陽泉 夜の更け頃は 仇な情けが湯に溶ける

☆渓の柴石あの石枕 お湯の流れに肌濡らす

☆赤い血の池 湯の立つ竃 あれやこれやの湯の地獄

☆あなた海水浴 私は砂湯 同じ渚の波の中

☆お湯は数々 砂湯に滝湯 蒸湯・筋湯の湯の流れ

 

新民謡「亀川小唄」

☆亀川湯どころ恋湧くところ あつい情けのあの沁むところ 今宵こっそり袖濡らす

☆男意気地か血の池地獄 燃えて立ちますあの湯柱が 燃えて焦がれて色まで赤い

☆女心かあの湯煙は いつの世に出ていつ消えるやら 湯気は空まで空まで高く

☆一人寂しく旅寝の夢に 更けりゃ灯 波間に揺れて 三味線弾く新川ほとり

☆丘に湯の池 浜には砂湯 亀川湯の町 情けの渦よ 赤い酒さえ火のよに燃える

 

新民謡「亀川小唄」

☆町は栄える白亀は眠る 豊後亀川お湯どころ

☆広い日本に数々あれど 四の湯・新湯は日本一

☆鶴見ゃ夕焼け赤湯は小焼け 暮れる湯の町ゃ三味の音

☆行こか柴石 温水の里に 土手は七間 湯の煙

☆黒尾名産 何じゃときけば 莚・湯の花・絞り染

メモ:亀川の新民謡を4曲紹介したが、今は、多分どれも全く唄われていないし踊られていないだろう。盆踊りのときは「別府音頭」や「温泉おどり」を踊るか、または「二つ拍子」「六調子」などの昔からのものを踊るようだ。

 

新民謡「新別府音頭」

☆ハー 瀬戸の波越え恋しい人よ お湯は万石

 お湯は万石 亀陽泉 亀川 亀川 また来てね

☆春の姫山 桜が招く 浮かぶぼんぼり

 浮かぶぼんぼり 紅桜 亀川 亀川 また来てね

☆夏は関の江しぶきに濡れて 逢うて嬉しや

 逢うて嬉しや舟の中 亀川 亀川 また来てね

☆秋は柴石 滝湯にかかりゃ 山は紅葉が

 山は紅葉が人を呼ぶ 亀川 亀川 また来てね

☆山は湯煙 血の池しぼり お湯の香りが

 お湯の香りが懐かしい 亀川 亀川 また来てね

 

新民謡「鉄輪民謡」   作詞:野口雨情

☆豊後鉄輪蒸し湯の帰り 肌に石菖の香が残る

☆鉄輪蒸し風呂十六枕 誰かまた来て寝るのやら

☆枕十六蒸し湯の中に 誰が寝るやら来るのやら

☆佐田と佐賀とは岬と関か 右と左に差し向かい

☆波は立たねどただ青々と 山の中にも海地獄

☆炎火売の社の松は 夫婦松ゆえ離りゃせぬ

☆月はまた出て明礬小屋の 藁の戸蔭で中覗く

☆元湯汲むとて朝起きしたり 逢いに来るとて寝なんだり

☆小田と山下二つの池の 水も末には逢うのやら

☆花の川には大石小石 水も流れて花と散る

☆私ゃ湯平湯治の帰り 肌にほんのり湯の匂い

☆五本松から東を見れば 行こよ野菊の花盛り

☆朝早くから今日も今日とて 元湯汲むとて逢いに行く

☆私ゃ湯平一本松よ 風の便りを聞くばかり

☆思い出します雪深峠 幾度涙で越したやら

☆扇山なら風でもお出し 夏の鉄輪吹かせたい

 

新民謡「鉄輪民謡」

☆来いといわれちゃ往かずにゃおれぬ 恋し鉄輪 湯の便り

☆乙女かわいや湯の里踊り 揃うた手拍子のほどのよさ

☆湯靄踊れば湯滝が囃す お湯で浮き立つ乙な里

☆お湯の鉄輪 春風立てば 花の吹雪に湯の煙

☆扇山風 小富士の小風 風邪をひかさぬほどに吹け

☆八町四面の地獄は昔 今じゃ極楽お湯の里

☆ありがたいぞえ火売の神の あつい恩恵でお湯が湧く

☆湯の香くぐれば一遍様の 昔偲べと響く鐘

☆お湯も湧く湧く人情も湧いて 寒さ知らずの里の幸

☆鶴見夕焼けもう日は暮れる 焼けて暮れるも深情け

☆わしが国さで自慢のものは 里の踊りとお湯の数

☆御山御嶽曇ろがままよ 好いた同志は晴れの旅

☆鶴見曇れば鉄輪泊り 嬉し涙の雨の宿

☆私ゃ湯の里鉄輪育ち 暑い情けが身の宝

☆志高可愛や鶴見と由布が 姿映して水鏡

☆水は溢れて谷間を縫うて 里の娘の化粧水

 

新民謡「鶴見踊り」

☆行って御覧よ鶴見ヶ丘へ 別府名所で名も高い

☆行って御覧よ鶴見ヶ丘へ 下は極楽 上地獄

☆行って御覧よ温泉プール ほんに好いぞえ鶴見園

☆行って御覧よ鶴見の池へ 二人揃うて晴れ姿

☆行って御覧よ鶴見ヶ丘へ 煮える湯の中 鬼がすむ

☆行って御覧よ鶴見の眺め 関や国東 伊予までも

☆噂よいぞえ鶴見のお湯は 中の歌劇はさらによい

メモ:戦前、九州の宝塚と呼ばれて賑わった鶴見園という遊園地の、宣伝用の小唄。鶴見園小唄などとも呼ぶ。レコードにはなっていないと思うが、もしかしたらPR盤が吹き込まれてそれを園内で流していたのかもしれない。お座敷調の節回しだが、易しい。誰にでも唄えるように考えて作ったのだろう。

 

唱歌「鶴見園の歌」

☆春の遊びは鶴見ヶ丘よ 一目千本桜の名所 花にそびゆる展望台や

 呼べば答えん観海寺 鶴見おろしのそよそよと 空に知られぬ花吹雪

 鶴見ヶ丘の秋の色 遠く見渡す四国路や 近くは鶴見・扇山

 高崎山も目の前に 湯煙のぼる山々や もみじ織りなす花の原

 行って遊ばん鶴見ヶ丘へ いでや遊ばん遊園地

メモ:多分、これは鶴見園のレビューで唄われたのだろう。もしかしたらPR盤が吹き込まれ園内で流していたのかもしれない。

 

唱歌「鶴見園歌」

☆大和心の雄々しさを 何に喩えん桜花 鶴見ヶ丘に咲く花の

 濡れて色増す若緑 千歳を契る同胞と ともに励まん我が使命

☆豊坂昇る旭影 円の月を仰ぎつつ 国東かすむ豊後灘

 高崎山や佐賀関 尽きぬ眺めも幸多く ともに鍛えん我が心

☆赤き心は夕映えの 紅葉と燃ゆる我が胸に 謙譲特に備えつつ

 平和の園も永久に 常盤木代々と光あり ともに研かん我が姿

☆鶴見ヶ嶽の雄々姿 扇ヶ山のその姿 夕日うすづく霊峰の

 麓に屯す姉妹と 微笑む心楽しげに ともに誇らん我が団欒

メモ:鶴見園の従業員の愛唱歌として作られたものだと思う。

 

新民謡「鶴見地獄」

☆思い焦がれりゃ涙でけぶる 鶴見地獄の湯の煙

☆鶴見地獄にドライブすれば 憎や焦がれて昇る湯気

☆消えてしまえば儚い湯気に 鶴見地獄は身を焦がす

☆昇れ湯煙 鶴見の地獄 消よと焦がりょと一筋に

メモ:鶴見地獄は今も霊泉寺境内に残っており、湯量も豊かに煮えたぎっており湯気のすさまじさはなかなかのものだが、観光地としては寂れ果てている。戦前は海地獄や血の池地獄と並び称される、著名な地獄だったようだ。絵葉書もたくさん出ている上にこのような小唄まで作られるとは、よほど人気の観光地だったのだろう。

 

新民謡「恋の浜脇」

☆恋の浜脇湯煙立てば 消えて薄れて二日月

 トコドッコイ 思い焦がりょとままならぬ

☆同じ別府の浜脇なれど 憎や仲せく朝見川 からむ浮藻も流される

☆雨の浜脇ネオンに暮れて 恋し逢瀬の人通り 消えてゆくかや湯煙に

 

新民謡「浜脇薬師音頭」

☆ハー別府浜脇 ヨイトヨイトナ 葉月も終わりに近づけば

 三日三晩の囃子に暮れるよ (サーサ ドンとぶて ドンとドンとドンとぶて

 ハーサ ヨイトヨイト ヨイトサノサッサ)

☆薬師祭りは 風流見立てよ柵飾り 受けて続いて千数百年

☆さあさおいでよ 浜脇の町 人情町 甘い夜です思い出町です

メモ:浜脇薬師祭りの流し踊りで毎年踊られている。所作は簡単だがやや手数が多く、別府音頭などに比べると少し難しい。

 

新民謡「泉都名物 ケーブルカーの歌」

☆泉都別府の緑の山よ 水の流れに湯の煙

 エンヤラヤノヤー エンヤラヤノ 行け行けケーブルカー

☆正面高く アノ仰がるる 乙原山の高台に 行け行けケーブルカー

☆ケーブルカーを アノ走らせば 中国四国のはてまでも 乗りましょケーブルカー

☆はるか一目に アノ眺められ 音に聞こゆる乙原の 乗れ乗れケーブルカー

☆滝の響きや アノ水煙 夏の暑さを忘れさす 見ましょうケーブルカー

☆山の上には アノ高野山 忠勇偉勲の乃木館に それ行けケーブルカー

☆春は花咲く弥生の頃も 炎熱燃ゆる真夏にも 行け行けケーブルカー

☆秋錦繍の アノ紅葉どき 白雪山に化粧する 行け行けケーブルカー

☆冬の霜月 アノ師走にも 参詣人の絶え間なし 乗れ乗れケーブルカー

☆かかる名所のあのケーブルカー 行けや人々諸共に 乗りましょケーブルカー

メモ:ラクテンチの小唄。戦前はラクテンチ全体のことを一般に「ケーブルカー」と呼んでいたようだ。大島のあんこ節や、平戸節など、全国各地にエンヤラヤノヤー…と囃す唄が点々と残っている。この唄もおそらく、あんこ節や平戸節に類似した節回しで唄われたのだろう。今のラクテンチは動物園と遊園地がメインで、春はお花見、秋は菊人形など四季折々のイベントで親しまれているが、戦前は乙原地獄(観音地獄)という地獄があったりして、今とはずいぶん雰囲気が違っていたようだ。歌詞に出て来る乙原の滝は今でも親しまれているが、山の上にあるストーンサークル、巨石も戦前は別府名所として知られていたらしい。昭和の終わり頃に、ラクテンチから乙原山の山頂までリフトで、そして乙原山から船原山までロープウェイで、船原山から志高ユートピア(すでに閉鎖。志高湖の近くにあった遊園地)まではリフトでそれぞれ結ばれた。平成の中頃、台風の被害を受け廃止になるまでは、ストーンサークルも気軽に訪れることができたが… 残念ながら、今は登山道も荒れているようで、巨石郡も藪に埋もれているようだ。あのリフトとロープウェイは、時間はかかったものの眺めがとてもよくて、特にラクテンチ側のリフトはかなり高度感もありなかなか楽しかった。採算がとれなかったのだろうし、台風の被害がものすごかったから廃止はやむを得なかったと聞いているが、本当に惜しいことだ。

 

新民謡「ケーブル国境節」

☆別府名所のケーブルカー 中国四国は一眺め 山の上なる稲荷さん

☆祈願をこめてチョコチョコと 下りて登る行き先の 坂の下には地獄あり

☆地獄眺めて怖気づき 念仏唱えて高野山 仏の袖にすがりつき

☆偉勲輝く乃木館に 心からなる身を清め 皇国のために祈りして

☆足踏み鳴らし滝の道 音に聞こえし乙原の 滝の響きや水煙

☆夏の暑さを忘れさす これがこの世の極楽と 腰を下ろして一休み

☆水の流れや人心 清き心になりたさや 清き心になりたさや

メモ:昭和初期に流行した「朝鮮国境警備の唄」という俗謡の替唄。国境警備の唄は、単独で唄われるほか「鴨緑江節」などのアンコにして唄われることが多かったようだ。

 

新民謡「ケーブル都々逸」

☆行って御覧せケーブル食堂 内にゃ湯もある酒もある

☆月の光で下界を眺め ここは雲居の楽天地

☆中を取り持つ美人の姿 今日の苦労を忘れさす

メモ:その名の通り、ラクテンチをテーマにした都々逸。先述の通り、戦前はラクテンチ自体をケーブルカーと呼んでいた。都々逸の節で唄ってもいいし、或いは別府音頭など字脚の合うものならどんな節でも唄える。

 

新民謡「観海寺花見音頭」

☆ハー 咲いた咲いたよ五千本の桜 ヨイトコリャサ 海を見下ろす

 花の観海寺ゃ九州一 ヨイヨイ ヨイヤサ

☆雲が匂えば霞も薫る 桜吹雪の 花の盛りの観海寺

☆花の梢に白帆が浮いて 浮いて浮かれて 波に鰭振る桜鯛

☆様を速見の浦浪越えて 花を目当てに 舟が寄ります様乗せて

☆鶴見山から吹く夜風に 青葉そよそよ 暑さ知らずの観海寺

☆空は夕焼け湯靄を染めて 山の紅葉が 谷の楓が緋に燃ゆる

☆ちらと三日月 蒸湯で見初め 解けた心に 冬も白湯のあつ情け

☆玉のようなる観海寺のお湯に 透いて見えます やんわ柔肌 玉の肌

☆海と山とを一目に眺め 花に紅葉に 眺め見飽かぬ観海寺

メモ:今でも観海寺温泉は桜の名所として知られている。