新民謡「由布が晴れたら」

☆由布が晴れたら別府が見えるヨー 別府湯どころ唄どころ 唄どころヨー

☆噴き出す温泉 世界一 青い目々した人も来る 人も来る

☆街に灯がつきゃ流川は 別府絞りの人の波 人の波

☆瀬戸の波々 寄せ来る浜の 砂の中からお湯も湧く お湯も湧く

 

新民謡「四季の別府」

☆春は桜よ街から街へ 薄紅に花化粧 ほんに別府さ湯の街ゃナ 花化粧

☆夏は海原 海水浴に 潮の香高い風が吹く

☆秋は紅葉よ山から谷へ 赤い夕陽に燃え落ちる

☆冬は小春日そぞろの歩き 雪も積もらぬ暖かさ

 

新民謡「別府後生楽」

☆家のお湯なら焚かねばならぬ 別府温泉湧いて出る まことほんとによいところ

☆鬼が出たぞえ八幡地獄 地獄在所が楽天地

☆湯玉吹くだろ別府の街にゃ 胸に思いを由布鶴見

☆今日も訪ねて海原千里 舟を浮かべて別府湾

☆上る湯煙 寄せ来る波よ わしとお前はお湯の中

☆この世後生楽 出湯の別府 いっそ二人で死ぬるまで

 

新民謡「別府音頭」

☆別府湯どころ 湯は縁どころ 熱い情けの湧くところ

☆熱い情けの湧く湯の町で とけた心は離りゃせぬ

 

新民謡「名残の別府」

☆海に顔出す高崎山よ これがさらばか陽が落ちる

☆定期航路の紅丸よ はやも出船か銅鑼の音

☆握り締めても一重の紙よ なまじ埠頭場の名残紐

 

新民謡「別府の唄」

☆地獄恋しや別府の地獄 暑さ寒さのない地獄

☆別府よいとこ地獄の中で 女人菩薩と湯極楽

☆地獄地獄に囲まれながら 別府極楽 後生楽

☆砂にもぐって太平洋の 日の出を見ている湯極楽

☆お湯のほてりかほんのり染めて 由布のお山に朝の雲

 

新民謡「新・別府小唄」   作詞:友永豊

☆ハー 別府湯どころ可愛い花が 濡れて命の 味な浮世に咲くわいな

 お湯は千両とんとろり かすむ湯けむり 花がすみ

☆別府湯どころ夢路も通う 仇じゃないぞえ 情けに染まる茜色

 お湯は千両とんとろり 花もおぼろに散るわいな

☆別府湯どころ愛しの灯影 忍ぶ宵待ち 待宵月の恥ずかしや

 お湯は千両とんとろり とろり湯の香に袖濡らす

 

唱歌「別府行進曲」

☆若きアジアの黎明に 精気溢るる湯の都 見よ秀麗の山と海

 伸ばせ伸ばせ 我らが大別府 伸ばせ伸ばせ 我らが大別府

☆出湯豊けき楽園に 文化の光 溌剌と おお観光に洋々と

 唄え唄え 我らが大別府 唄え唄え 我らが大別府

☆鶴見の高嶺とよの海 天の恵みに人の和に ああ洋々と開けゆく

 仰げ仰げ 我らが大別府 仰げ仰げ 我らが大別府

メモ:霧島昇が吹き込んだ「別府行進曲」とは同名異曲。この唄は昭和10年頃に作られ、別府市民歌として制定されたもの。多分、石垣村、亀川町、朝日村が別府市に編入し、現在の市域とほぼ同じ新「別府市」の誕生を記念して作られた歌ではないかと思う。柴田睦陸と歌上艶子がレコードに吹き込み、ビクターから発売された。曲も歌詞も明るく希望に満ちていてなかなか良い歌だと思うのだが、残念ながら歌い継がれることはなかったようだ。

 

新民謡「別府コツコツ節」   作詞:大夢山人

☆別府よいとこ いつでもおいで サンヤレ ハーコツコツ

 日本三景 劣らぬ景色 お湯を加えて日本一 ハーコツコツ

☆地獄極楽あの世にゃないよ 十の地獄が見物できて 帰りゃ極楽お湯の中

☆別府よいとこいつでもおいで どこでできよか裸で雪見 お湯の中から豊後富士

メモ:日田のコツコツ節の替唄。昔、コツコツ節は格が高い唄とみなされていて、別府検番の芸者は必ず習得しなければならない唄だったらしいから、きっと別府でもコツコツ節が広く親しまれていたのだと思う。

 

新民謡「欧人観光客の唄」

☆ロッパ船出て四十五日 船路はろばろ日はほがら

 日本良い国 世界のパーク 別府よいとこ湯の都

☆心躍ればステップ躍る 招く日の丸ヤレ嬉し

 聞いた地獄は極楽薬湯 野山田畑はパラダイス

☆永久に住みたやこの湯の都 異国日本の旅空のまま

 火の山 湯の海 三里の街は 世界のナポリ 湯の別府

 

新民謡「湯の花音頭」

☆春は別府の乙女が招く 咲いた菜の花 蝶々がとまる

 花の吉弘 桜の名所 月もおぼろの仇姿 アーヨイヨイ

☆夏の城島は緑の敷布 由布と鶴見は揃いの浴衣

 夜は銀座のネオンばな 別府しぼりの粋なこと

☆秋の紅葉は真っ赤な心 地獄巡りに肩寄り添いて

 恋のケーブル手を取りて 浜の砂湯で縁結び

☆冬の別府は年越し所 一夜千両の湯の花音頭

 一夜明くれば新玉の 高崎山の春姿

 

新民謡「湯の里音頭」

☆八丁四面の地獄は昔 今じゃ極楽お湯の里

☆恋と言われちゃ行かずにおれぬ 恋し鉄輪 湯のたより

 

唱歌「別府市歌」

☆鶴見の高嶺 雲を突き 豊後の海の波青く

 ここ湯けむりの立つところ 輝くわが市 大別府

☆湧き出づ温泉 神代より 今も尽きせず滾々と

 憬れ来たる人絶えじ 歓喜のわが市 大別府

☆ここ楽園に住むわれら 使命を握る温泉の

 天恵を思え溌剌と 伸び行くわが市 大別府

☆世界に比なき湯の都 日出づる国の限りなく

 輝き栄ゆる理想郷 燦たりわが市 大別府

メモ:昭和10年、別府市・亀川町・朝日村・石垣村が合併した記念に作られた唱歌で、当時は広く歌われた。

 

唱歌「別府町歌」

☆湧き出で初めし神代より 万代尽きぬ温泉の

 名は遠近に轟きて 四方の人々集うなり 別府は好き地 楽天地

☆花芳しき四極山 澄むや菡除ニ湾の月

 四時の眺めも備わりて 冬暖かく夏涼しい 別府は好き地 楽天地

☆天の賜抱きつつ 人勤勉の風あれば

 殖産の道 日に興り 富増進の機運あり 別府は好き地 楽天地

☆良きが上にも良かれよと 励むは人の務めなり

 力をあわせ我が町の 栄え図らん諸共に 別府は好き地 楽天地

メモ:昭和10年まで、別府町の歌として親しまれていた。別府町は、今の大字別府と大字浜脇。

 

唱歌「肥後と豊後」

☆肥後と豊後は兄弟仲よ お前西向きゃわしゃ東

 背中合わせとすねてはみても 離れがたない地続きよ

☆肥後と豊後は兄弟仲よ 脈が通えば血も通う

 阿蘇の煙に別府の出湯 燃ゆる命の火は一つ

メモ:亀の井バスの阿蘇観光の車内で唄われたもの。軽やかな節回しで、明るい感じがする楽しい唄。

 

新民謡「耶馬巡りの唄」

☆高い山越え牧場を越えて 恋し湯の香の 由布を見渡しゃ霧の海

 囃子「ヨイトシャンシャン 耶馬めぐり ソレ 耶馬めぐり」

☆聞いて八景 来て見りゃ一目 鹿の鳴く声に 燃ゆる思いの紅葉谷

☆鎖渡しも昔の夢よ 僧の情けで 明けた洞門 青の里

☆廻る五十里 耶馬溪巡り 今は日帰り 帰りゃ湯の町 湯の香り 

 

新民謡「別府サーサ節」   作詞:佐藤大宥

☆あなたお船で私もともに 晴れて嬉しい二人連れ

 にこにこにっこり新婚旅行 サーサよかったね

☆あなた湯の香で私もともに めぐる九州 花の旅

 今宵の夢路はベップの宿で サーサ楽しいね

☆一度来たとき情けがしみた 二度が三度と重なって

 今じゃ抜き差しならない仲よ サーサもっともだ

☆夢も湯煙 情けもあつい 別府 湯の町 恋の花

 咲かせたあの夜が忘らりょか サーサまた来てね

☆あなた自動車で私は汽車で 道は互いに隔てても

 落ち着く先は別府の温泉 サーサ待っててね

メモ:大正の頃に唄われた流行小唄「お安くない節」の替え唄のようだ。

 

新民謡「別府博音頭」

☆ハー おぼろ湯煙 五色に染めてヨ 開く文化のナー ハイハイ

 花は七色 花は七色 八重一重 ソーレヨイヨイ

 お湯の別府だ 花の別府だ 春だ祭りだ博覧会だ

 

新民謡「別府博讃歌」

☆ハーソーレ いで湯別府は世界の港 鶴見 由布岳ハイヤーで眺め

 国際道路を一跨ぎ 阿曽も雲仙もその日のうちに

 帰りゃ別府の ソーレ 温泉観光産業大博覧会

 

名所解説「亀の井バス地獄めぐり」

☆ここは名高い流川 情けも篤い湯の街の メインストリートの大通り

 旅館 商店 軒並び 夜は不夜城でございます。

☆四季の気候は快き 心尽くしの九州に 山と海との眺めよく

 出湯あふるる別府市は 戸数一万、人口の 五万余人を数えられ

 東、西より南より 北より来たる内外の 客は一年百余万

 外つ国までも知られたる 温泉都市でございます。

☆正面高く仰ぎ見る 乙原山の高台に ケーブルカーを走らせば

 中国 四国の果てまでも 遥か一目に見られまた 山の上には乃木神社

 高野寺などもございます。

☆道の右手の一郭は ここはお国の何百里 離れて遠き満洲の

 その満鉄の療養所 ここの辺りは桜咲く 花の名所でございます。

☆次の名所は鶴見園 園の中には温泉も

 歌劇もあれば九州の 宝塚とも申します。

☆左山手は観海寺 登れば海も眺めよく 三日月地獄に蒸湯あり

 花と紅葉で知られたる 温泉場でございます。

☆行く手に見ゆるあの丘は 八幡・鶴見の両地獄 煮え立ち返る熱湯は

 この世さらなる恐ろしき 焦熱地獄でございます。

☆左の村は村人に 鳥の湯跡と唱えられ 昔は病める鶴などの

 谷の温泉に集い来て 湯浴みせし地と申します。

☆この一帯は古戦場 慶長五年の秋深く 南軍大友義統は

 黒田如水の北軍と 五日に亙りて激戦し 武運つたなく南軍の

 主将吉弘統幸が 明日はただ 草の屍や照らすらん

 石垣原の今日の月影と 辞世の歌を詠み捨てて

 忠列の名を後の世に 残せし所でございます。

☆ここの天恵豊かなる 温泉地帯の中央に 左の空を見上ぐれば

 火を吐きやめし鶴見岳 右の彼方を見下ろせば 霞たなびく豊後灘

 この一帯を彩れる 出湯の原と山と海 百景万象縦横に

 錦織り成す景観は 神の絵筆に描かれし 生きた名画と申します。

☆別府絞りで名も高き 紺屋地獄の山手には

 湯の花小屋の立ち並ぶ 明礬温泉でございます。

☆この高原は十文字 遥か麓に美しく 丁度湖水のそれに似て

 鏡欺くあの海は 新渡戸博士もナポリなど 遠く及ばぬ絶景と

 感嘆されし別府湾 その全貌でございます。

☆次はその名も珍しき 山の中なる海地獄 深く湛えし熱湯は

 色紺碧の海に似て そのものすごさ美しさ かつて今上陛下には

 まだ東宮におわすとき ここに台臨あそばせし 別府名所でございます。

☆すぐその下の湯の里は 昔一遍上人が 熱の蒸湯を築きまた

 時宗の一派を築かれし 名高い鉄輪温泉場 年十余万の浴客を 

 迎えまつると申します。

☆彼方の海は別府湾 海の眺めは絵のごとく 海辺に人家広がりて

 煙漂うあの街は 温泉情緒細やかな 湯の街別府でございます。

☆向こうに見ゆるは日出の沖 遠く霞める山脈も 先はさざ波 浪花まで

 遥かに続く瀬戸の海 この一帯の展望は さながら近江の三井寺に

 見たる琵琶湖と申します。

☆このトンネルを過ぎゆけば 別府八景柴石の いと閑静な温泉場

 昔御朱雀天皇の 太子親仁親王が ここに御湯治遊ばせし

 尊き遺跡と申します。

☆次は谷間の岩の上に 竈のような形して

 五穀いちびを蒸すという 竈地獄でございます。

☆つぎの地獄の血の池は 赤く湛えし大地獄 赤い熱泥たぎり立ち

 そのものすごい紅は 海の地獄の紺碧と 思い合わせて不可思議な

 コントラストでございます。

☆行く手に見ゆる市街地は 人口五千 戸数千 海に面して山を負い

 景色もいとど麗しく 温泉地帯の北端の 出湯溢るる亀川の

 温泉場でございます。

☆これより南々へと 見ゆる景色は走馬灯 右に山々 左海

 邯鄲たる道5キロ余の 速見ヶ浦を懐かしい 別府へドライブいたします。

☆左の湾の右の方 遥かに続く山脈の 東の果ては佐賀関

 関の東の沖遠く 霞のベール被れるは 乙姫ならぬ愛媛県

 浦島太郎の竜宮を 偲ぶ眺めも懐かしく その美しき遠景も

 今は霞に覆われて 簾の内に佳人をば 見るの怨みと託ちます。

☆ここの辺りは景色よく 右も左も湯を吹いて 客待ち顔の別天地

 皆様ここに別荘を お建ちありてはいかがです。

☆この一帯の海浜は 世を経る波に磯馴松

 緑添ゆると謳われし 速見ヶ浦でございます。

☆すぐ正面のあの橋は 境川橋 川の名は 市部と郡部の境川

 橋を渡れば憧憬の 湯の街別府でございます。

☆斜め右手は大仏像 あの煙突の右の方 林の中に丸々と

 丸い頭をあらわすは 奈良の大仏より高く 高さは二十四メートル

 その前方の煙突を 大仏様に供えたる さても大きな線香と

 見るはいかがでございます。

☆左浜辺の浴場は 海の裾から出湯湧き 砂に埋もりて湯浴みする

 まことに天下一品の 天然砂湯でございます。

☆次は海岸 流川 尽きぬ名残を惜しまれて 地獄めぐりはすみました

 亀の井バスは謹んで 皆様のご健康を祝します。

メモ:亀の井バス地獄めぐりで、女性の車掌さんが唱えた75調の解説文。合間に別府小唄や瀬戸の島々などを唄い、名所旧跡を解説しながらのドライブだった。別府大仏、鶴見園など現存しない名所も多く読み込まれている。