児童和讃

南無阿弥陀 南無阿弥陀
賽の河原と申せしは 娑婆と冥土の境なり 一つや二つや三つや四つ
十よりうちの幼子が 賽の河原に集まりて 紅葉のようなる手をもちて
真砂を拾うて塔を積む 一条積んでは父のため 二条積んでは母のため
三条積んではふるさとの 教師兄弟わがためぞ もはや日暮れとなりぬれば
地獄の鬼が現れて 積んだる塔を突き崩す 西に向いては母恋し
東に向いては父恋し 恋し恋しと呼ぶ声が 谷の木霊に響かれて
父が呼ぶかと心得て 谷の木霊に来てみれば 父という字はさらになし
母という字があらばこそ あら不思議やここにまた 地蔵菩薩が現れて
子供ら何を悲しむか そなたの父母娑婆に在り 冥土の父母われぞかし
一つ所に呼び集め 衣の袖を振り着せて 遍照あれよと回向する
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀 南無阿弥陀仏