花和讃

そもそも都の傍らに るりしと申せし女人あり 世継ぎに男子を儲けしが
時をも嫌わで娑婆を立つ 死すれば野原に送り捨て 夜半の煙となりぬれば
七日七日が七七日 三十五日も打ち過ぎて 四十九日にあたる日は
あまりにわが子の可愛さに 明日は花園寺参り 寺の小縁に腰をかけ
つくづく花を眺むれば 開けし花は散りもせず 蕾の花の散るを見て
もしや我が子もあのごとし
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏